1994年、炭焼名人の佐藤石太郎氏に師事し、白炭を焼き始め、販売開始するにあたり、なぜ炭を焼くのかという想いを文書にまとめ、当時のパンフの表紙に掲載しました。ご笑覧ください。
師匠・佐藤石太郎さん。2002年、白石市の自宅(七ヶ宿ダムにより七ヶ宿から移転)脇の山林に築いた炭窯にて
妙なる木のいのち
私たち人間は、大自然に生かされています。
山に生かされ、海に生かされ、土に生かされ、水に生かされ……。
さまざまな生命に生かされてある、私たち人間の生命……。
山の樹木もまた、あるいは炭という妙なる姿をして、
古代より私たち人間の暮らしの中で利用されてきました。
そして、炭を焼く炭山は、
伐っても、切り株から萌芽が生え、やがて緑が戻ります。k
小枝や葉はそこに残り、土も流出せず、山は若返ります。
そうやって、日本の雑木林の多くが、その姿を保ってきました。
コンクリートとプラスチックと化石燃料の現代となって、
炭の力が見直されてきました。
炭は、水を、空気を、土を、浄めてくれます。
そして、もちろん、炭火の暖かさ、美しさは、
人の心とからだを癒してくれます。
そうした炭の力を借りて、
自然が、私たち人間が、少しでも癒されればと願い、
炭を焼いています。
どうぞご利用下さい。
この想いは、今も変わりません。常に胸にある想いです。
炭焼きを始めた当初、自ら版画を彫って作ったロゴマーク
*須美:10世紀の日本の書物に炭は「須美」とあるそうです。「須」を辞書でひくと「用いる、必要とする」とありました。「美しく須いる」で「須美」です。それに感じ入り、マークの中に彫ってみました。